-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2009-08-08 (Sat)
連続音でソラが超絶進化を果たしたようです。


そしたら左上Dが「千年の独奏歌」+「けんか別れ」で
「千年のけんか別れ」と誤読なさったので書きなぐってみた。
そんな話です。

コトダマ炉宮シス/ファンタジー

捏造はなはだしいです。
決心がついたら「続きを読む」から本編へどうぞ。
 風に長い髪がすくい取られる。コトダマは視界の脇を揺れる髪をつかまえ、耳の裏にかける。
 崖の上は強めの風が吹いていた。さえぎるものは何もない世界。眼下には彼の治める領土が広がる。
 争いの多い、荒野のような土地。
 決して彼の治世が悪いわけではない。この地は、彼の父の治める頃よりこういった景色だった。幼い頃から、美しい故郷など見たことがない。
 美しくない景色。美しいものを好む彼はこの景色を嫌い、人間界にたびたび降りていた。立ち並ぶビル、工事によって削り取られていく地面……彼が出入りするうちに人間界もだいぶ様変わりしたが、それでもこの土地よりはましだと思った。
コトダマ様、ここは風が厳しゅうございます。どうぞ中にお入りください」
 遣い魔の猫が、コトダマの足元に寄る。身体をしならせると、首元付けた鈴がリンと鳴った。
「戻ってどうしろというの? あそこには美しいものは何もないわ。争いを助長し続け――それでいて自分は傍観している、そんな輩の巣窟よ」
 そう言う自分も何もできないことに、コトダマは自嘲した。そして、領主の自分よりもそんな輩の方が実際には権力を持っていることが何よりも馬鹿馬鹿しい。
 領土など要らない。権力など要らない。そんなものは、飾りでしかない。
 むしろ、美しい土地を訪ね歩きたいコトダマには、肩のこるお荷物でしかなかった。
 コトダマは遠くを見つめ、ふっと笑みを浮かべた。足元にいる遣い魔にはその笑みは見えなかっただろう。
「ねぇシス」
「はい」
 呼びかけられ、使い魔は顔を上げる。また鈴がりんと鳴る。
「いつか、全部捨てて――この土地も権力も全部捨てて、別の世界へ行ってしまいましょうか?」
 苦笑交じりの笑みを遣い魔に向けるが、返事は返ってこなかった。その顔には、予想通りただただ驚愕の色が浮かんでいる。
 遣い魔にはコトダマがどこか本気で言っているのだということが伝わったのだろう。
 いつか、全部捨てて。それは、遣い魔との関係すらも捨てていくということ。
「自分は」
 リンという音が、可細い声をかき消しそうになる。また声が途切れて、遣い魔はうつむいた。
「どこへなりとも、コトダマ様についていきます」
 再びコトダマに向けられたその目に、曇りはなかった。混じりけのない、美しい赤が埋め込まれている。美しく輝く瞳の中には、コトダマの姿がくっきりと映りこんでいた。
 それは、主従の関係がなくとも共にいる誓い。その言葉があれば、コトダマには十分だった。
「戻りましょうか」
 マントをひるがえして、コトダマは眼下の景色に背を向ける。風が当たらないよう、遣い魔をマントの中に入れてやる。
 コトダマの態度の豹変振りに呆然としていた遣い魔を急かすように、マントが小さな身体をたたく。歩幅の大きいコトダマに合わせて、遣い魔は少し小走りに歩き出した。それを見て、コトダマもやや速度を落とす。
 人型になれば歩幅も大きくなるものを。それも思いつかないほど動揺している遣い魔を見て、少しからかいすぎたかと苦笑する。だが、コトダマには先ほどの言葉を冗談で終わらすつもりはなかった。
 いつか、そのいつかは、今ではないとのことだけだ。今は自分の責任として、このくだらない争いを止めなければならない。
 コトダマはしばし足を止め、崖の下の景色を振り返る。長い争いで、すっかり荒れ果てた森、町並み。
「本当、千年も何やってるのかしらね」
 隣の国との戦い。けんかの理由など、当時まだ生まれていなかったコトダマが知るよしもない。そうでなくとも、元は一つだった種族同士の戦いなどコトダマには理解できない。
 崖の上から見える隣国との境界に、引かれた線などどこにも見当たらないのだから。


End.
スポンサーサイト
| 小説 | COM(3) | TB(0) |
コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。