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2011-05-31 (Tue)
・非人間アンソロの冒頭の没を無理やりSSにして落ちをつけてみました。
・なので少々流れが無理やりだとは思います。
・非人間アンソロの話自体にはほっとんどつながっていません。
・擬人化なしの禰と結菜の話です。

非人間アンソロについてはこちら→http://80.xmbs.jp/anthology/
私は小説で20枚(こら)書かせていただきました!
主人公は タ イ ト ル バ ー で す 。
もう一人のメインはテレビさんです。
ぜひお手にとってどんな話なのか確かめてみてくださいww

【補足】
書き忘れていましたが登場音源は以下。
左上禰/テレビさん/音子乃阿助・吽助/白牙ノイ/失歌エン/鳴虎娘/
コヨーテ(伺)/凱歌ニケ/JJ.千種/うたもぐら

SSは続きからどうぞ。
 今日は寒かったな、風邪は引かなかったか。
 そう青色のバーに表示させると、手馴れた手つきでキーボードが叩かれる。デスクトップに開かれたメモ帳に「平気」と打ち込まれ、俺は「そうか」と返した。
 今日と明日にかけて、気温が一気に冷え込むらしい。それはインターネットの海で拾ってきた情報。寒いとか暑いとか俺には分からないが、寒いと人間は風邪を引くものだということは知識として得ていた。
「今日はずっと家にいたし」
 テキストに打ち込まれた文字を読んで、それもいかがなものかとよぎる。
「調子が悪いのか?」
 聞くと「いんや、見たいDVDがあったから」と返ってきた。あっそう。
 そのまま俺の左側にあるお気に入りボタンをクリックし、彼女は上から順にサイトを巡回しはじめる。女の子が仲良く並んでいる絵が表示され――それは俺にとっても微笑ましい画像だったが――俺は心を鬼にしてネットを強制終了させる。
 彼女はしばし何のリアクションもしてこず、もう一度同じサイトを開いた。俺はすぐにまたページを閉じる。
 数秒待ったところで、ようやくメモ帳に新しい文字列が追加された。
「何すんのよ、ポンコツタイトルバー」
 ポンコツとは何だ、俺こそ最先端の技術をいくブラウザだぞ。何てったって検索もろもろのほかに保護者も兼ねてやってるんだからな。
 というような言葉を小分けにして出すと、彼女は「自家製ウイルスの間違いじゃないの」と打ち込んでくる。親の心子知らずとはこのことか。
「四の五言わずに、しっかり寝ろ」
 ため息の代わりにファンを回して、俺は答えた。彼女は文章を打ちかけて――エンターキーを押さないままそれを消す。
 消された言い訳の後に打たれたのは、「うん」という二文字だけだった。どうやら体調が悪いのは事実だったらしい。
 彼女はメモ帳を保存してから消す。半角英字の名前に今日の日付加えて、デスクトップのフォルダの中に入れた。
 もう見ているか分からない彼女に対して、俺は「おやすみ」と投げかける。彼女はそれに答えたのかもしれないし、答えなかったのかもしれない。それは俺には分からない。
 俺は彼女の傍にいくことができない。その笑顔を見ることも、声を聞くことも熱を確かめてやることもできない。
 こんな形で心配してやることしかできない。
 俺は所詮パソコン上でしか機能しないタイトルバー。けれどこの形に後悔してはいない。
 俺は閉じていくシステムの中、先ほど保存されたばかりのファイルをのぞく。フォルダの中には毎日の日付が書かれたたくさんのテキストが投げ込まれており――日付の前には、こう書いてある。
 「Dear」。たわいもないやりとりに込められた、確かな思いの形。
 ただの0と1も、積み重ねれば思いの欠片になるように。左上一行分に込められた言葉が、彼女と俺をつないでいる。
 俺は光を失っていくデスクトップの中で、0と1の欠片を飛ばす。明日またそれが、新しい言葉に生まれ変われるように。

FIN.
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